3回戦はメンバー外に、「意識を変えて」臨んだ浦和学院の2年生FW市川輝が値千金のゴール

「やっぱりあの時間で入るっていうことは、自分が得点を決めたり、やっぱりチャンスを作ってこい!っていう意味だと思ったので、自分がゴールを決めてやるっていう気持ちで入りました」。
浦和学院は0-0の終盤、途中出場のFW市川輝(2年)が値千金のゴールで4強に導いた。

準々決勝の武南戦は後半21分から右ウイングバックでの出場。足を攣らせたDF小柳快颯(3年)に代わってのスクランブルだったが、「自分が出るかもしれないっていうのは言われていたので、準備はありました」という2年生FWは1点が必要な場面で今大会初出場を果たした。

すると決勝点はその8分後。29分、右WBの佐藤大心(3年)にボールが入ると、ボールホルダーに目線がいった中で逆サイドを駆け上がり。「11番の大心が個の力があるので、絶対にクロスを挙げきってくれると思っていた。8番の平昭(一哉)がスルーしてくれて、もう自分が決めきるだけだったので、その2人のおかげだなと思います」。最後は落ち着いて右足で流し込んだ。

名門・武南を沈める値千金の決勝ゴール。「すごい嬉しかったです!」と自然と笑顔が弾けた。

ひとつ前の大宮南戦ではベンチ外に。「それがちょっとなんか悔しくて…」。武南戦の1週間はいろいろなことの意識を変えて臨んだという。「前よりも朝のストレッチとかを多く取り入れて、自分の身体に良いことに対して取り組んでみたり、寮生なんですけど、お昼とかが自由なのでお昼の質とか、今日の朝ご飯でも糖質を多く摂取したり、そういうのを見直してやってみました」。

1週間で身体が劇的に変化することはないかもしれないが、意識はプレーに直結する。川上耕平監督も「もうすごく躍動感があって、アグレッシブにプレーしていた。(今週も)パフォーマンス自体は良かった」と評価。そしてベンチに復帰し、掴み取ったワンチャンスで結果を残した。

スピードを活かしたドリブルやカットインシュート、クロスまで上げきれるのが強み。準決勝はプリンス関東2部所属の強豪・西武台が相手だが、「出るからにはちゃんと結果を出して、勝てるようにしたいです」。意識を変えた2年生FWが次も出場機会が回ってくれば結果で応える。

石黒登(取材・文)