浦和南FW大角慶吾、背番号3のFWが交代後5分で決勝弾!エース負傷で今夏CBから転向
6年ぶりの全国出場を狙う浦和南は0-0の後半、途中出場のFW大角慶吾(3年)が交代後5分でゲットしこれが決勝点に。初戦特有の難しさもあったゲームを制し、2回戦に進出した。
浦和南は前半、相手の5バックに苦戦。1トップの10番FW掛谷羽空(3年)に当てても相手の密集がある状態で、なかなかセカンドボールを奪えずに苦しんだ。その中で名将・野崎正治監督は後半頭から181cmの大角を投入し、182cmの掛谷との長身2トップにすることを決断する。
「前半は全然自分たちの攻撃ができていなくて、自分が入って絶対に流れを変えてやろうっていう気持ちだった。ヘディングとかフィジカルが自分の持ち味。そこでまずは相手のCBに競り勝って、自分たちの攻撃に繋げようっていう感じで、そういうプレーを心がけました」(大角)
すると5分、CB稲垣嶺(2年)が前線に蹴り込んだボールに大角が競りに行き、バックヘッドで流し込み待望の先制点。浦和南にとってはこれが選手権初戦、プレッシャーもあった中で「嬉しかったし、でもやっぱり安心が本当に一番でかくて」とまずは安心が上回ったことを明かす。
その後も持ち味の空中戦で存在感を発揮。26分にはMF沼尻爽汰(2年)のクロスにニアサイドでヘディングで合わせた場面は惜しくもクロスバーをかすめた。「あれを決めないとこれからは勝てないと思うので、やっぱりああいうのを1本1本決められるようにしていきたいです」。
また、掛谷との2トップもほとんどぶっつけ本番だったこともあり、「そこの連携がちょっとまだまだかなっていう感じで。片方が競った後の動きとかがまだちょっとわかっていなかったので改善しなくちゃいけないと思います」と課題も口にしたが、決勝点ゲットで勝利に貢献した。
「3」という背番号が表わすようにもともとはDF。チームは8月の和倉ユースでエースの掛谷が故障。体格が似ていたこともあり、その間にCFに入っていたのが大角だった。FWは小学校以来の挑戦。「最初は全然わからなくて。でもディフェンスをやっていたので、なんとなくやられて嫌なことがちょっとあったのでそれをやろうかなっていう感じでやりました」。ディフェンスをやっていた経験から裏に何度も走られることや競り負け続けることの嫌さを肌を持って実感していたという大角はそこを意識してプレーし、少しずつFWらしい動きをものにしている。
武器はヘディングと裏抜け。「裏抜けには結構自信があって、ちょっとまだ、なんかたまにオフサイドとかになっちゃったりするんですけど、そこらへんももっと練習してやっていきたい」。
次戦の起用法はわからないが、守りを固められた際のオプションとしても価値を示したFWは「チームのために戦って、ゴールを決めたり自分にできることをやって、ちゃんとチームを勝利に導けるようにしていきたいです」と次戦も自分に与えられた役割を全うし、勝利に貢献する。
石黒登(取材・文)