対人や競り合いで強さを発揮 昨年4強の聖望学園DF菅野陸斗主将「全員で全国に行きたい」
「今日は攻撃ではチームに勢いをもたらせなかったので、守備だけはチームのために身体を張ろうって。競り合いや1対1は絶対に勝てるので、そこだけは自信を持ってやっていました」
聖望学園は昨年から主力を務めるCB菅野陸斗(3年)主将が好守備を見せて無失点勝利に貢献。山本昌輝監督も「今年はあそこの守備力が高いので安心して見ていられる」と信頼を語った。
聖望学園は23分、MF小山晃也(3年)が決めて先制したが、その後はチャンスを迎えながらも追加点を奪えない時間帯が続いた。後半は1点を追う国際学院が攻勢を強めてきた中で「ずっとやってきた全員でゴールを守る、ゴールを隠しながら守るっていうのは徹底しました」(菅野)
183cmの長身CBは相方の182cmCB武田渉吾(3年)ととともに相手のロングボールやセットプレーを連続して跳ね返し、対人の部分でも強さを発揮。菅野自身も「1対1の守備や競り合いのところは全部勝てたので、そこは良かったと思います」と守備の部分での手応えを口にした。
リーグ戦では独走状態を築いていた9月に連敗。「あの時は自分たちがチャレンジャーじゃなくて、待ち構える気持ちになっていた」。それでも「ここがダメだったってみんなで共通理解を持って、負けた日は落ち込んだんですけど、その次の日くらいから全員がチャレンジ精神を持ってやろうとなれた」。この2試合では8失点と守備面で課題を残した中で今季これまでやってきた「自分たち主導でハメにいって、全員で守る」守備を再確認。ミーティングでも動画を見つつ積極的に意見交換しながら修正し、直前のリーグ戦では好調・細田学園を無失点に抑えて勝利した。
昨年大会では2019年以来2度目のベスト4入り。今年も菅野をはじめ、小山、MF野元里晟(3年)、DFペイトン有玖主(3年)ら経験者も残る。「去年ベスト4に行って、先輩たちの悔しい顔を見て、自分たちはその悔しさを忘れずに、その舞台でやり返して、スタンドで応援してくれてる人たちと全員で全国に行きたい」と静かに熱い闘志を燃やすCBが聖望学園を牽引する。
石黒登(取材・文)