「やっぱりサッカーが好きなので」昌平MF大谷湊斗主将が選手宣誓に込めた想い 大会3連覇へ「目の前の試合に集中するだけ」

第103回全校高校サッカー選手権埼玉県決勝トーナメントの開会式・公開抽選会が9日、埼玉スタジアムメインピッチで行われ、この夏県勢として51年ぶりとなる夏の日本一に輝いた昌平MF大谷湊斗(3年)主将が選手宣誓。「やっぱり途中噛んでしまったので。結構悔いは残っています」と苦笑いしつつ、「最後の方は堂々と言えたので良かったです」と大役を勤め上げた。

「宣誓。2024年度、オリンピックにおいて、選手が見せた熱意とフェアプレー精神は私たちに感動を与えました。オリンピックという舞台で選手たちが互いにリスペクトし、国境を越えて友情を築いたように、我々もこのピッチで戦う相手を尊重し、サッカーというスポーツの楽しさ、チームワークの大切さを忘れず、戦い抜きます。サッカーは個々の技術とチームの連携が勝敗を決めるスポーツです。そのことを忘れず、仲間とともに支え合い、切磋琢磨しながら、この舞台を最高の大会にすること、そして大好きなサッカーを、選手権という舞台でプレーできることに誇りと責任、そして感謝の気持ちを忘れずに、最後の1分1秒まで戦い抜くことを誓います」。

今年はオリンピックイヤーだったこともあり、冒頭は大谷自身も「自分も見ていてやっぱりすごい感動しましたし、楽しかった」と話すパリ五輪に触れつつ、今回の選手宣誓でもっとも伝えたかったのは「サッカーを好きだという気持ち」、そしてそのサッカーを仲間たちと最後の瞬間まで楽しみたいという想い。「自分たちも最高学年になって、最後の選手権っていうことで、『やっぱりサッカーが好きなので』。仲間と築き上げてきた分、絶対に優勝したいという気持ちと純粋にサッカーを楽しみたいっていう気持ちがあの文に込められたかなと思います」と振り返った。

今夏の全国高校総体では、決勝で神村学園を下して、県勢として1973年の児玉以来、実に51年ぶりとなる夏の日本一に。埼玉県サッカー界に大きな喜びをもたらした。総体後初の公式戦となった7日の前橋育英戦も逆転で制するなど、2年目を迎えたプレミアEASTでも12試合を終えて5勝4分3敗の勝ち点19の暫定6位と、後期の戦い次第ではまだまだ優勝の可能性を残す。

大会3連覇&冬の全国初制覇にも期待が集まるが、「1試合1試合油断せずに、目の前の試合のことだけを考えて自分たちのプレーを出せれば、優勝できる力はあると思っている。自分たちは目の前の試合に集中するだけ。1試合1試合集中して圧倒して勝ちたい」と常勝軍団に緩みはない。まずは26日の初戦(3回戦)に照準を合わせながら、ひとつずつ勝ち上がっていく構えだ。

石黒登(取材・文)