前半に決定的なロングシュートをストップ 昌平GK佐々木智太郎「練習と同様に良いセーブができた」

「今日はやっぱり前半から難しい試合展開になるっていうのを予想していて。その中でひとつのピンチであったりっていうのをキーパーの僕がセーブすることで、最終的には4-0っていう結果になったんじゃないかなと思っているので、そこはポジティブに捉えています」(佐々木)

2回戦の帝京安積戦、昌平は早々にFW鄭志錫(3年)のゴールで先制したものの、中盤以降は相手に決定的な場面を作られるなど、苦しい時間帯が続いた。その中で39分には相手センターバックのロングシュートが枠を捉えたが、守護神の佐々木智太郎(3年)が食らいついて防いだ。

「ある程度ロングシュートは自信を持って練習からやっているので、練習と同様に良いセーブができたかなと思います」。相手がシュートモーションに入った瞬間、しっかりと予測し止めきったファインセーブ。県予選決勝の西武台戦でも立ち上がりの相手の決定機を佐々木がセーブしたことでその後の快勝劇に繋がったが、この日も1点取られれば試合展開的にもわからないという中で止めた守護神のストップが後半の3得点に繋がった部分は決して少なくないはずだ。

前日の1回戦・尽誠学園戦では、フリーキックから失点。チームとしての身長のディスアドバンテージを防ぐべく、全部をカバーしようと高い位置を取ったことが裏目に出た結果となった。

「昨日ミスでチームが失点してしまったっていうことは本当に受け止めて、悔しいことではあるんですけど、長い目で見たら結局自分の財産になることなので、そこはプラスに考えて臨みました」。その中で「今日はなんとしても無失点に抑えないといけないゲームだったので、結果として無失点は良かったんじゃないかと思います」と無失点で終えたゲームに手応えを見せた。

188mの長身GKは今年、U-17日本高校選抜にも選ばれ、そこでまた自信をつけて帰ってきた。「チームは日本一を目指してやっているので、この先また難しい試合があると思いますけど、個人としても、また世代別代表であったり、入れるように頑張っていきたいと思います」。勝ち上がればそういったチャンスも出てくるはずだ。個人としてもまた上のステージでプレーするためにも、試合の流れを変えるようなセーブでチームを勇気づけ、初の日本一タイトルに貢献する。

石黒登(取材・文)