FW鈴木洸晴、西武台の“キング”が試合を動かす先制弾! 初戦で泣いたPKも決めて勝利貢献

西武台の“キング”が試合を動かす先制弾。スコアレスで迎えた延長前半3分、西武台FW鈴木洸晴(3年)はゴール前に抜け出すと、キーパーとの1対1をしっかりと沈めて均衡を破った。

正智深谷との準決勝は1点を争う展開に。西武台は前半、相手にある程度持たせながらカウンターから好機を狙ったが、相手の守備もあり、なかなか決定的な場面を作ることができなかった。

左サイドでスタメンした鈴木も前半は得意の突破を見せることができず。「今日も最初は全部縦に行きたかったんですけど、相手もちょっと対応してきて、自分のところにボールがこなかったので、もうああいう1本しかないなと思っていた」と正智深谷の守備に苦戦したことを明かす。

後半以降はその1本を決めきるために「ワンタッチでまず枠に入れること」を意識。牙を研ぎ澄ますと、そのチャンスがやってきたのが延長前半3分だ。DF鈴木煌平(2年)のフィードをFW竹内奏海(3年)が頭でフリックしたボールに抜け出し。「(抜け出した瞬間)もうニアが空いていたので、ニアに流しました」。ボールの落ち際を右足でしっかりミートしてゴールを破った。

得点後はカメラマンの前に駆け寄ると、自分発信で「みんなに“キング”と言われているんです」と笑う点取り屋のアタッカーは両手を顔の前で重ねて王冠を作る「キングポーズ」を披露した。

延長後半に同点弾を奪われ、これが決勝弾とはならなかったが、PK戦は最後のキッカーを務めた中でど真ん中に蹴り込み、勝利を決めた。西武台にとって初戦となった3回戦の武蔵越生戦もPK戦となった中で鈴木は3人目に登場し失敗。チームは勝利したものの、試合後は顔を覆い隠しながら涙を流していた。「絶対に決めてやると思っていました」とあの日の涙を笑顔に変えた。

決勝はプレミアEAST3位の昌平に。鈴木は「もうやるだけ。絶対に決めてチームを救います」と宣言。新人大会は昌平が一部の選手が出場していなかった中で鈴木のハットトリックで西武台が勝利。今度はトップを相手にチームを救うゴールを奪い、決勝でも「キングポーズ」を作る。

石黒登(取材・文)