「点をすごく決めたかった」 秋に2列目に転向、得点への意識増した昌平MF土谷飛雅が全国初ゴール!持ち味のパスでも随所で光るプレー
「点をすごく決めたかった」。昌平は初戦7発快勝発進。技巧派MF土谷飛雅(3年)も1-0で迎えた前半25分、FW小田晄平(3年)のアシストから右足アウトサイドのボレーで決めた。
小田からのラストパスは浮き球のやや難しいボール。「ゴロで出して欲しかったんですけど」と苦笑いするが、「左で打とうか迷ったんですけど、ちょっと左で打つフリをして、アウトサイド気味でシュートを打てたので、キーパーのタイミングをずらせたんじゃないかなと思います」。
咄嗟のひらめきから右足でのシュートを選択。アウトサイドでこすり挙げるような技ありのシュートでゴール右隅に流し込んだ。パスを出した小田も「あれは飛雅がうまかった」と脱帽した。
今秋にボランチからトップ下に転向し、「得点への意識という部分では練習からすごく意識してやっている」。県予選準決勝の武南戦ではその得点への意識を発揮しハットトリックを達成した。
1回戦の奈良育英(奈良)戦ではチームが2トップシステムを組んだことで左サイドハーフとしてプレーしたが、「点をすごく決めたかった。2列目になったからには点の部分にこだわっていかなくちゃいけないのですごく嬉しかったです」と高校年代での全国大会初ゴールを喜んだ。
また、ゴール以外の部分でも正確無比なパスでゲームをコントロール。「今日はわりと良かったんじゃないかと思います。ドリブルとパスの使い分けもそうですけど、やっぱり一番はパスは今日は良かったなと。クロスからは入らなかったですけど、自分の中ではクロスも良かった」。先制点の起点となった縦パスや機を見たサイドチェンジなど得意のキックはこの日も冴え渡った。
卒業後は関東の大学に進学予定。「去年悔しい想いをしていて、今年最後悔いなく楽しく終わろうと思っていて。日本一っていうチームの目標はあるんですけど、一戦一戦を大切に戦っていけたらなと思います」。冷静なコントロールタワーは最後の選手権に向け、そう意気込みを語った。
石黒登(取材・文)