正智深谷DF平塚大吾、リーグ最少失点の『キーマン』は味方の長所を引き出す異色のCB 予測を生かしたシュートブロックでも存在感

「自分は身体能力も高くないですし、背も大きくないので、予測とかして、しっかりと準備しないと勝てない。(最終節の昌平Ⅱ戦も)いままで通りやるっていうのと、相手も身体とか強いし、うまかったので、そこも考えながらもギリギリのところで最後身体を張れたかなと思います」

身長は172cmとセンターバックとしては小柄だが、正智深谷のバックラインにおいてその存在感は絶大だ。優勝決定戦となった昌平Ⅱ戦、CB平塚大吾(3年)は「技術の差を感じた」という一方、決定的な場面でスライディングでシュートブロックに入ったのは一度や二度ではない。

「スライディングしないで身体を入れられるのが一番なんですけど、自分には力がない」としつつ、「そこで失点しなければいいので」。良い意味で割り切りながら身体を張った守備で相手の決定機を摘み続け、昌平Ⅱの攻撃をシャットアップ。見事クリーンシートに抑え、優勝に貢献した。

今季は18試合でわずか9失点と堅守を誇った正智深谷。主将のGK望月奎杜(3年)は「やっぱり平塚くんがすごく良いコーチングをしてくれて、前線にも中盤にも「どこを切れ」とか「○○切りながら出して」とか本当に細かなコーチングをしてくれる。プラス、副キャプテンとしてチームの鼓舞だったり、自分がキャプテンなんですけど、大吾がキャプテンなんじゃないかっていうくらいやってくれたのですごい頼もしかった」とリーグ最少失点のキーマンに平塚を挙げる。

平塚も「自分の武器は予測と準備の良さ。周りの選手のポジショニングとか判断を声で助けることで自分もよりやりやすくなったり、自分の弱点を隠せたり、味方の長所を生かせたりとかするので、そこを最大限に出して、チームとして一番良い形を作れるように頑張りました」と語る。

中学校時代に所属した坂戸ディプロマッツでは、「ほとんど全部のポジション」を経験したことが現在のプレースタイルに繋がっている。平塚も「多分いろいろなポジションをやったからというのもあって、こう動けば大丈夫っていうのをわかっていた。中学時代のコーチからも弱いんだから声出せみたいなことをすごく言ってもらったので、それで身についたと思います」と話す。

高校でも複数のポジションで起用され、一度はサイドバックに収まったが、そこから試合に出られない期間を経て、今年のインターハイ前にチーム事情からセンターバックにコンバート。「失点しないこと」を一番に考え、そのために「相手がどう攻めようかとかっていうのは、相手のポジショニングとかパス回しから見て、その前にいま、シュートまでにどれだけブロックできるチャンスがあるか考えて、声かけとか、自分で行ったりしています」。もともと前期も失点は少なかったが、平塚がセンターバックに収まった後期はわずかに失点1と堅守に磨きがかかった。

「まだリーグ優勝しただけ。プリンス(参入戦)までに成長できる部分が絶対にあると思うので、そこはしっかり詰めていきたい」。その上で個人としては「楽しいプレーがしたい」と語る。

平塚にとって楽しいプレーとは「相手の逆を取ったり、その上で自分の思い描いたプレーがチームに伝わってそれができた時が一番楽しいとか嬉しい」。初戦で当たるジェフ千葉U-18(千葉)はもちろん、決定戦で当たる可能性のある全国高校総体の覇者・明秀日立(茨城)など体格や身体能力で上回る相手に対し、駆け引きし、チームを最後方からコントロールして勝利に導く。

石黒登(取材・文)