「怪我をした（津久井）佳祐の分もしっかり優勝して終わりたかったんですけど、自分は途中から入った中で、もちろんチームを勝たせたかったし、そういう悔いが残っています」。FC東京内定のMF荒井悠汰（３年）にとってのインターハイは志し半ばの３位という結果に終わった。

激闘だった準々決勝・大津戦の影響は大きく、「自分も含めてなんですけど、前目で押し込むことが出来ずにずっと相手にボールを持たれていて、ずっと守備があって、結構疲労という感じで来ていた。それで監督から今日は自分と（篠田）翼と（長）準喜は途中からということで言われていました」（荒井）。そういった中で準決勝の帝京戦では０－０の後半９分にピッチに立った。

「自分が進まないとチームもやっぱり流れが変わらないので、自分が何か先に行動しないといけないと思っていた」という荒井は、ボールを持てばパワーのあるドリブルで右サイドを切り裂いて前に運び、機を見たスルーパスで攻撃を牽引し続けたが、決めきれず。「（帝京は）ゴール前で粘り強かったり、結構激しく来たりというのはあって、結構やりづらかったんですけど、そういう場面でもっと自分も冷静になって、もっと周りを見て、判断出来ればよかった」と悔いた。

Jリーグ内定選手として注目され、本人も「結果」にこだわった大会は、３回戦の日章学園戦でPKによる先制点を決めると、後半30分には安定した下半身から繰り出す、低重心の左足シュートで「これぞ荒井悠汰！」というゴラッソを決めたが、ゴールはこの２得点にとどまった。

「今大会は本当にいろいろな人から注目されて、そういった中でやっぱり結果も出さないといけないし、今回は（日章学園戦の）２点しか取っていないんですけど、やっぱりもっとチャンスもあって、そこで決めきれるように、冬に向けて、しっかりと仕上げていきたいなと思います」

そして選手権で再び日本一へチャレンジする。「（松木）玖生くんも日本一を取ってプロになっているので、それを見習わないといけないし、自分がチームを勝たせないといけない。自分が得点王と日本一を取ってプロの世界に行きたいなと考えています」。昨年青森山田を日本一に導いたFC東京の先輩、松木のように得点王と日本一のタイトルをひっさげてプロの世界に飛び込む。

石黒登（取材・文）