浦和東MF河原塚悠太、チームの緊張の糸をほぐす先制弾! 苦しい時間も声でゲームコントロールし勝利貢献

チームの緊張の糸をほぐす先制弾だった。浦和東MF河原塚悠太(3年)は0-0の前半25分、ゴール前のこぼれ球を右足でしっかりと抑えながら打ち抜いて、ゴールネットに突き刺した。

勝てば3大会ぶりの8強がかかる試合で浦和東は序盤、なかなかセカンドボールを回収できずに苦戦。「スタジアムに行かなければ」という想いが力みになり、選手たちのプレーを重くした。

それでもこの状況を変えたのがゴールだ。25分、右SB菅野琉(3年)がクロスを上げ、MF村山拓巳(3年)がキープすると、こぼれ球が河原塚のもとへ。「力を抜いてリラックスして抑えて蹴る」ことを意識して右足で振り抜いたこの試合チーム1本目のシュートが先制弾となった。

河原塚も「こういう舞台で決めたのは初めてなので、本当に自分自身最高の瞬間でした」と笑顔で振り返る値千金のゴール。また、10番のMF田中涼賀(3年)も「悠太が1点決めてくれて、みんな身体が動くようになって、自分たちのやりたいサッカーができるようになったかなと思います」と話すように、チームの緊張をほぐすという意味でも大事な意味を持つゴールとなった。

その後もポケットに流すパスやキックも1本1本を大事にプレーすることを意識。そして平尾信之監督も「ここ(ハート)がいい」と話すボランチは後半の苦しい時間帯も「平尾先生から「ここが我慢の時間だぞ」「声でゲームをコントロールしよう」と自分に言ってくれたので、自分がしっかりと全員に声をかけることを意識しました」と後半33分に交代するまで声でも牽引した。

「やっぱりそれが大きくて。練習中から意識していて、しっかりと先頭に立って、キャプテンとか副キャプテンとかではないんですけど、しっかり声で引っ張っていこうって」。副部長を務めていたさいたま植竹中時代も「自分が引っ張っていかなければいけないという気持ちはめっちゃ強い」と話していたが、その姿勢であったり、熱い想いは役職に関係なく、いまも変わらない。

「(準々決勝は)駒場っていうことで、また緊張とか、チームが固くなってしまうこともあると思うんですけど、しっかりとまた自分たちの良さを出して、ウラトンの良さ、ウラトンのベース、浦東魂を見せて、声で引っ張ったり、姿勢で勝つっていう魂を見せられるように頑張っていきたい」。熱いハートで浦東魂を体現するボランチがスタジアムでも声とプレーでチームを引っ張る。

石黒登(取材・文)