立教新座のヘディングキング、DF齋藤隼一は3年間の集大成見せてきっちりと“リベンジ”

1年生の時に完敗したFWにきっちりとリベンジ。S2リーグの2位決定戦を制し、来季のS1リーグ昇格を決めた立教新座。この試合でキーを握っていたのがDF齋藤隼一(3年)だった。

浦和西は今季ストロングとしてやってきた長身FWに当てながら攻撃を展開。そこで得たセットプレーから180cm超えの選手たちが一気に雪崩れ込む迫力のあるアタックでゴールを狙う。

しかし、そこに立ちはだかったのが齋藤だ。「3年間磨き上げた自分のヘディングを、最後集大成のところで、全力で発揮しようと思った」。182cmのCBは空中戦の強さを発揮して次々にボールを跳ね返すと、セットプレーでも抜群の存在感。しっかり競った場面はほぼ負けなしだった。前田和伸監督も「今日は齋藤隼一が際立って跳ね返していた」とDFのキーマンを讃えていた。

この日対峙することが多かった浦和西の185cmを誇るFW小池耀晟(3年)は高校1年生の頃、U-16のS2リーグでもマッチアップ。しかし、当時は「ほぼ負けた記憶しかなかった」という。

それでも齋藤もこの2年で大きくレベルアップ。コロナ期間中も家で飛び上がるのに必要な体幹を鍛え、友人と公園でヘディング練習。また、その期間に出会った元日本代表DF岩政大樹の動画で手の使い方を覚えると一気に開眼。「そこで本当に極めて、本当に良いヘディングが出来るようになりました」。この日はその技術を遺憾なく発揮して個人としてもリベンジを果たした。

また“リベンジ”という意味では選手権でもしっかりとリベンジ。昨年は準々決勝の武蔵越生戦でバックパスをさらわれて失点し悔しい想いをしていたが、集大成となる今年はヘディングの絶対的な強さを見せて優秀選手にも選出。57年ぶりの選手権ベスト4に欠かせない選手だった。

石黒登(取材・文)