[総体]守備の要として無失点&準決勝で1得点。昌平CB伊藤隆寛主将は全国で同門の帝京10番との対決熱望
「やっぱり中学時代、全国に行けなくて、すごい悔しい思いもして……。ひとつ上の代も全国準優勝だったり、優勝してる中で、本当にここで勝ちたいって想いが強かったですし、本当にもう苦しい6年間で。全国で戦うっていうのが自分の夢で、そこで日本一も取りたいですし、この仲間でやれる最後の試合なので、そういった想いが強くて、最後笛が鳴った瞬間はホッとしました」
やっとたどり着いた“自分たちの代”での全国の舞台。終了のホイッスルが鳴った瞬間、昌平のキャプテン、CB伊藤隆寛(3年)はピッチに倒れ込み、顔を覆ってその瞬間を噛みしめていた。
「正直、中学3年間で全国行けるだろうなみたいな気持ちもありつつ、でも現実はそんなに甘くなくて。LAVIDAで一緒にやってきた仲間で他の高校に行ってしまった人たちとも全国の舞台でもう1回戦いたいですし、ここにいる仲間は本当に良い奴らで、昌平に来てよかったって思えるそんなチームで。応援してくれる仲間だったり、両親だったり、ファンの方のためにも勝ちたいって想いが強くて、本当に勝ててよかったです」と笑った顔からは安心の二文字が見て取れた。
今大会は守備の要として高橋心晴(3年)との長身CBコンビで安定した守備。準決勝の浦和南戦では「今年の昌平はセットプレーも武器にしようっていうのは言っていて。相手はマンマークで1個外れればヘディングできると思っていた中でうまく外せて、山口(豪太)くんが良いボールを蹴ってくれたのであとは当てるだけでした」と右CKからヘディングで1得点も記録した。
決勝の西武台戦も無失点で切り抜け、今大会は3試合連続の「0」でV。一方で伊藤は「0で抑えられたっていうところはすごい自信にもなりますけど、やっぱり最後のところで決定的なシュート打たれてしまって、(小野寺)太郎が救ってくれたからよかったですけど、そこは自分と心晴を含め、バックラインがもう少し球際に寄せにいったりしないとダメなのかなと思います」。
チームとしてうまくいかない時に各個が1人で行こうとしすぎることもあり、守備がハマらない場面も。「もう少し組織的に考えて全員でやらないと、この先、うまくいかないと思うので、そこはもう1度トレーニングから全員で同じ意識を持ってやりたいです」と気を引き締め直した。
昨年はサポートメンバーとして帯同した伊藤は「今年の昌平は長(璃喜)だったり、山口をはじめとした攻撃陣が結構注目されている中で、自分だったり心晴も太郎も(安藤)愛斗も(森井)智也もバックラインのやつらも戦えるんだぞっていうところを見せつけてこのまま無失点で勝ちたい。連覇できるように、また練習からイチから積み上げていきたいです」と意気込みを語る。
また、全国で戦いたい相手として名前を挙げたのは、LAVIDA時代の仲間であり、帝京のエース・久保恵音(3年)だ。「結構、仲良くて。昨日恵音も2点決めて、全国を決めていて、昌平とやりたいっていうのも書いてあったし、シーズン前に1回練習試合をした時も一緒にご飯とか行ったりして、「全国で会おう」って話をしてて。やっぱり一緒に3年間頑張ってきた仲間なので、もう1回全国の舞台でやりたいです。やるなら、もう“叩きのめします”」と対戦を熱望した。
石黒登(取材・文)