[総体]西武台DF高倉大翔、178cmの主将CBが“空中戦の主役”に!成徳深谷の高さを封じる

西武台の背番号5が、後方から試合を支配した。CB高倉大翔(3年)は準決勝・成徳深谷戦で幾度もロングスローやロングボールを跳ね返し、1-0勝利に大きく貢献。「今日みたいなバチバチした試合っていうのは自分好きなので」と話す主将が持ち前の空中戦の強さを発揮した。

関根雄太監督も「今日みたいな“戦う”チームはあいつ多分好きだと思うので」と話すファイターは、「こういうゲームになると自分も気持ちが入る。今日は楽しいゲームでした」と振り返る。

「やっぱり自分が弾ければチームも盛り上がりますし、楽なゲームになると思うので、そこはもう自分が相手のFWより先に飛んだり、高く飛んだりして、勝つっていうのは意識しました」

相手の188cmFW頓宮琥太郎(3年)とのマッチアップでは「やっぱりめちゃめちゃでかくて、自分が見上げるような高さの選手だったんですけど、ああいう相手に勝つと自分も乗ってくる」。

178cmと特別なサイズはないが、「タイミングと入り方、ボールを競る前の相手との駆け引きはやっぱり身長ない分、大事にしてますし、そこは自分の武器だと思って自信を持ってやっています」というCBは自分より10cmも大きい相手に対しても堂々と渡り合い、ゴール前で何度も跳ね返し。早い時間帯で相手がFWを交代したことも「嫌がらせられた証拠」と前向きに捉える。

前半は空中戦でほぼ負けなしのパフォーマンス。終盤はさすがにジャンプ力が落ちる場面もあったが、試合を通じて相手のハイボール攻勢を跳ね返し続けたCBを指揮官もMOMに推した。

昨年は怪我もあり、セカンドチームでプレーする時間が長かった中でS2リーグ優勝にも貢献。選手権予選ではレギュラーCBを務め、今季はキャプテンマークを巻いてチームを牽引する。

高倉は浦和レッズジュニアユースの出身で、決勝の相手である昌平の根幹を担うFC LAVIDA組とは中学時代に何度も対戦。「また高校でもそういう戦いがしたくて。昌平を倒すのが目標」と西武台に来た理由を話していたCBは高校初対決に「やっぱり絶対負けたくないです」と話す。

「次の試合はもっと苦しい展開になると思うし、相手に押し込まれる展開も多いと思うんですけど、そういう時こそやっぱり自分たちのやってきたっていう自信もあるので、そこは自分が率先してチームをまとめながら、少ないチャンスをものにしながら勝ちたいです」。今大会2試合8発の昌平攻撃陣を0で抑えながら、苦しい時こそ自分が先頭に立って牽引し強敵撃破を狙う。

石黒登(取材・文)