日本クラブユース選手権(U-15)大会・埼玉県予選代表決定戦 東松山ペレーニアFC vs 成立ゼブラFC

日本クラブユース選手権(U-15)大会・埼玉県予選代表決定戦。雨脚が強まる中で行われた成立学園鷲宮グラウンド第2試合は東松山ペレーニアフットボールクラブと成立ゼブラフットボールクラブが対戦。試合はペレーニアが3ー1で逆転勝ちを収め、代表の座をつかんだ。

「いままでは先に取られるとすべて負けていたが、今日はそういう形ででも落ち着いて逆転できたあたりに一人一人の地力、個の部分の成長を感じた」とペレーニア・小室守代表。

開始から互いに1本ずつ好機を迎えるなど、一進一退の攻防が続く中で先制したのは成立ゼブラだった。前半18分、MF眞鍋京志郎がキーパーとの1対1を制して試合を動かす。

対するペレーニアも序盤こそ雨でスリッピーな人口芝のピッチに対して手を焼いたが、徐々にその状況にも慣れ始めると前半33分に同点弾。MF塩澤琉斗のパスに抜け出したMF櫻井辰徳が右足でキーパーの股を抜いてみせた。「みんながつないでくれたボール。いままでたくさんシュートを外して迷惑をかけてきたので、決めることができてよかった」と櫻井。チームに落ち着きを取り戻す10番の技ありゴールが決まり、1ー1のタイで試合を折り返した。

後半も勢いに乗るペレーニアがスタートから圧力高くいくと早々に逆転ゴールが生まれる。7分、コーナーキックを獲得すると、MF市川侑吾のキックに「良いボールをくれたのであとは合わせるだけだった」というDF今野稜央がヘディングで合わせて勝ち越した。

その後も走力の部分で相手を圧倒したペレーニア。慣れない雨の人工芝の中でも最後までほとんど変わらない運動量で敵陣に押し込み続けた。30分にはコーナーキックのこぼれ玉を塩澤が「気持ちで押し込んで」3ー1に。試合はこのままタイムアップ。後半に真価を発揮したペレーニアが逆転で成立ゼブラを下し、JCY(U-15)関東大会に駒を進めた。

終盤にきても落ちない運動量は大きな強み。夏場の合宿では毎日12キロのランニングを実施、普段の練習でもフルコートのグラウンドを10周、練習終わりには10本のシャトルランを行うそうで、スタミナの部分には絶対的な自信を持つ。

「ゲーム体力という部分ではどのチームにも負ける気がしない」と櫻井。今野も「埼玉一くらいは狙えますよ、本当に」と胸を張る。

また、これまでは先制点を取られると悪い流れを断ち切れない部分があったが、「失点しても下を向かずに笑いながら逆転できた」(MF鈴木大策主将)。「まだまだ青天井のように伸びる」という小室代表の言葉通り、選手たちは精神的にも肉体的にも急成長を遂げている。

高円宮杯を含め、これで3年連続の関東となるが、もちろん見据えるのはその先の全国だ。「自分たちは全国に出ることを目標にやっている。関東に出るというのはひとつの通過点なので、関東に行ってすぐに負けないようにしっかりと戦っていきたい」と鈴木主将。

「埼玉一」の運動量で関東大会でも大暴れを期待したい。

石黒登(取材・文)

試合結果

東松山ペレーニアフットボールクラブ 3-1 成立ゼブラフットボールクラブ

1(前半)1
2(後半)0