高校総体サッカー埼玉県南部予選 浦和 vs 川口青陵

7日(日)に一斉に行われた総体予選ブロック決勝。浦和北高校グラウンド第2試合は南部支部Gブロックを勝ち上がった浦和高校と川口青陵高校が対戦。試合は前半1点、後半2点を重ねた浦和が3ー0で勝利し、県大会行きのチケットを手にした。

試合は早い段階で動いた。前半10分、MF大橋周平が右サイドでボールを受けると、相手ゴールに向けてドリブルを開始。一時は相手サイドバックに前に入られたが、「少し身体を当ててバランスが崩れたところをしっかりと振り抜いて」逆サイドのネットに突き刺した。「前回の試合(大宮西高校戦)では何もできなかったので、何かを残してやろうと気持ちを入れて臨んだ」という背番号11のゴールで浦和が早々に先制に成功する。

その後、川口青陵に繋がれる場面もあったが、「相手の2トップに対して1本があるというのは聞いていたので、そこだけはケアしようと話していた」(DF藤森圭太)。ボールを持たれても2トップやスピードのあるサイドなど、要所を締めて相手の攻撃をシャットアップしていく。追加点こそ奪えなかったが、1点リードで試合を折り返した。

後半は同点弾を狙う川口青陵が序盤から圧力高くきたが、それを凌ぎ切ると12分に追加点が生まれた。「1個前で自分がヘディングで接点になる形は練習でもやってきた」と主将のMF平野飛鳥。浮き玉のパスを絶妙な位置に落とすと、これが相手守備陣のお見合いを招き、そこに飛び込んだFW石井佑汰がうまく面で合わせてゴールに叩き込んだ。

さらに浦和は後半35分に途中出場のMF吉野魅斗の左コーナーキックから藤森がヘディングで合わせた。「前半からさわれていたので後半はいけるなと思っていた。練習試合では6試合ぐらい連続でバーに当てていたので気持ち下目に抑えようと思って打った」という一撃が決まり3点目。このまま無失点で抑えきり、3ー0で川口青陵を下した。

今春からは本田哲也監督が赴任し、新たなスタートを切った浦和。それまでのマンツーマンからゾーンに変えるなど、時間のない中でディフェンス面には力を入れてきた。「今大会では守備の共通認識みたいなものは共有できたのかな」と本田監督。

ディフェンスの藤森は「バックとしてはちゃんと(相手の)流れを切りながら進めていけた」としながらも、「後半はスライドできていたものがスライドできなくなるなど体力的な課題が出た。試合の中でのペースダウンといったところもやっていきたい」と振り返った。今後は1試合を通じたゲームコントロールが鍵となってきそうだ。

そのうえで構築が必要なのが攻撃の部分。まだ形は見えていないというが、守備に関しては今予選で一定の成果を出しているだけに攻撃が整えば面白い。

また、敗れた川口青陵もこの日は先発2人を含む5人の1年生を起用するなどこれからが楽しみなチーム。就任2年目の山田純輝監督のもと、リズムよくパスを繋ぐサッカーも浸透してきており、夏の選手権予選までにはさらに力をつけてきそうだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和 3-0 川口青陵

1(前半)0
2(後半)0