高校サッカー関東大会 埼玉県予選 正智深谷 vs 川越南

関東大会・埼玉県予選2回戦。昌平高校グラウンド第2試合は連覇を狙う正智深谷高校と川越南高校が対戦。正智深谷が危なげない試合運びで3ー1で勝利し、ベスト8に駒を進めた。

「今日は比較的新しい素材の選手を試した」と正智深谷・小島時和監督。1回戦のふじみ野高校戦からメンバー3枚を入れ替え、MF今井蓮、FW木藤皇成、FWオナイウ情磁といった面々がスターティングリストに名を連ねた。

序盤から攻勢を仕掛けたのは正智深谷。前半2分には早くも試合が動いた。

「相手のプレスがあまりきつくなかった」と右サイドのオナイウ。「あのパスでほとんど決まった」というMF萩原俊のパスを引き出すと、「思ったよりも冷静にやれた」と縦への突破から豪快な先制点を叩き込み試合を動かす。

しかし以降は後ろを固めてくる川越南に対し、ボールこそ回るものの打開することができず。

「楔につけた時も攻撃陣が全部後ろにパスを出してしまっていた」とゲームキャプテンを務めた福井康太。指揮官も「もうちょっと怖いことをどんどん仕掛けて、シュートまで持っていってほしかったが、それができていなかった」と振り返った通りシュート10本も、なかなか前線で迫力を出すことができないまま1ー0で試合を折り返す。

「後半はその辺りを意識させながらメンバーを入れ替えていった」と小島監督。後半頭からは1年生FWの波多野晟愛を投入。同時にMF西澤悠人、9分にMF谷口瑛也と本来の中盤選手を次々と入れていくと、攻撃にリズムが生まれてくる。すると後半12分に待望の追加点。萩原のコーナーキックをDF中村友空が合わせリードを2点に広げた。

後半36分にはFW木崎空斗のフリーキックの混戦からDF三好裕之が押し込んで川越南が意地の1点を返すも反撃はここまで。

後半アディショナルタイムにはMF海老塚宝良のフリーキックから途中出場のMF須田竜太郎がヘディングでダメを押した。

「キャプテンの福井がニアで何人かつってくれたので、自分はフリーであとは流し込むだけだった」(須田)。このまま試合は3ー1で終了。正智深谷が連覇に向けて、準々決勝行きを決めた。

「新人戦の頃は交代選手を入れるとチームレベルが加速度的に落ちていっていたが、今日は比較的止まってきたかなと。極端に落ちない、みんなある程度のアベレージになりつつある。ちょっとずつ春の遠征の結果が出だしてきたかな」と小島監督。

スタメン出場した3人に加え、途中出場組も後半45分間に出場し前線の収まりどころとなった1年の波多野、またチーム3点目を決めた須田と結果を残した。

準優勝に終わった新人戦を乗り越えて、チーム力は確実に高まりつつある。

石黒登(取材・文)

試合結果

川越南 1-3 正智深谷

0(前半)1
1(後半)2